Aちゃんと小学校の頃のクラスメイトの男子、中学校の頃の女子、高校の頃の女子数人という、なぜかごちゃ混ぜのグループでタイ旅行をしていた。
立ち寄ったのは、周囲が空き地のように何もなく人気もない寺院。寂れているのかと思いきや、本堂はタイのどの寺院よりも大きいのではないかと思うくらいの立派なもので、天井から柱、床まで隙間なく金や彩色が施されている。が、本来あるべきはずなのだろう場所に、仏像の姿がなかった。その前に案内板が置かれ、小さな写真で黄金仏が紹介されている。
修復中か……。(ー_ー;)
実際にタイのエメラルド寺院で似通った場面に遭遇していたため、またか……と自分の運のなさにげんなりした。
2001年のタイ旅行で訪問したエメラルド寺院では仏像がないわけではなかったが、巨大な涅槃仏(ねはんぶつ)が修復中のため足場で覆われまくって隙間からしか覗けず、正面に置かれた案内板の写真でのみ全体像を見ることができたという、寂しい結果に終わった経験がある。( -_-)フッ
仏像がない状態でのちょっと空虚なお祈りをした後、寺院前の広場を横切ってマイクロバスが待つ道路までぞろぞろと歩いた。
途中の木立の中を通り抜ける時ものっすごい豪雨が降ってきて、あわてて傘をさす。歩きづらくて遅れたため頑張って少し駆け足してみると、それに気づいたAちゃんが振り返り、
「危ないから走らんでいいよ。待ってるから」
とやさしい言葉をくれて、思わずジンとした。( ̄^ ̄。)ほろり
T字路になっている『l』のところに止まっていたマイクロバスに少し遅れて乗り込むと、車内は快適とはとても言いがたい状況と化していた。これ以上はない程のぎゅうぎゅう詰め状態で、私は後部座席の最前列にAちゃんと向かい合って無理やり座る。と言っても座席にではなく、助手席の後ろのちょっとした物置スペースのような出っ張りに腰掛けている状態だった。長く乗っていたら腰が痛くなることが保証されているような不安定な乗り心地である。
Aちゃんとその両脇の男子たちと談笑しながら、
「そういえばまだこっちに来てからごはん食べてないなぁ。ランチが楽しみ~☆」
とAちゃんに言うと、
「すっごい美味しいお店に行くから楽しみにしといて」
と得意げな笑顔が返ってきて、期待が高まった。……のに、そこで目が覚めた。(_ _。)がっかり…